竹園東中科学・技術部ロボコン班は,ロボコンに参戦しはじめて今年で3年目になります。昨年度も大会前にロボットの動画を公開しましたが,今年はさらにその上の対戦を練習する段階まで到達させることができましたので,ここに公開します。

全国中学生創造アイディアロボットコンテストには,3つの部門があります。今年,竹園東中の4チームがエントリーするのは, 活用部門です。
今年の活用部門のアイテムは写真のようなブロックです。とても大きく,昨年のボールのように転がりません。アイテムを保持することに多くのチームが四苦八苦しておりました。一番高いポールの高さはロボットの高さ制限450mmと大して変わらない415mmの高さがあります。単純に持ち上げただけでは得点することができません。クリアしてみれば,いろんな方法で実現可能であることがわかりますが,4月はじめには,部活全員で途方に暮れていたことを思い出します。
ルールはこちら→ http://ajgika.ne.jp/~robo/ru_ru/H30_katuyou.pdf

 

アイテムを保持するアイディア,アイテムをロボットの高さ以上に持ち上げるアイディア,この2つのアイディアがキーです。竹園東中の4チームはお互いを意識しながらも,それぞれに違ったアプローチで技術開発に挑みました。その成果を大会前にここに公開します。

MIRAI

MIRAIは,90秒の試合時間で,10個の全てのアイテムを得点することのできる能力を備えたロボットです。彼らは最初からアイテムをつかもうとはしませんでした。何かに挟んで,その挟んだアーム自体を手首をひねるようにひねればその場でアイテムを置くことができるはずと考え抜き,いきついたのが金属製のアームでした。適度にしなる弾性が必要で,微妙な調整がきく素材である必要があります。その形状も含めて何通りのパターンを試したでしょうか。しかし10点満点は,当時はまだ夢のまた夢でした。そこで彼らが考えたのはアイテムを同時に2個つかむダブルアームです。これがビックリするような成果を上げました。操作練習をやりこんでいくうちに,今ではコンスタントに9点以上,相手がいなければ確実に10点が取れるまでになりました。
そして,ここまで作り込んだロボットを,「YouTubeで大会前に公開してください!」彼らから言ってきたのは驚きでした。彼らは自分たちのロボットが自分たちの努力だけで生まれたものでないことに気付いたようです。YouTubeに公開された動画は,2週間で1000回の再生回数を超えようとしています。彼らのロボットに刺激を受けたチームが,今全国各地で頑張っています。彼らはそんな全国のチームと対戦することを楽しみにしています。

動画はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=hWr_rEQHF2c&t=8s

 

竹園Victory

竹園Victoryの最初のアイディアは,カゴでアイテムをとるでした。カゴに収納してカゴごと移動すれば,アイテムをつかまなくてもよいはずという考え方です。確かにその通りカゴに入れて,上下させて置くだけならそれでも可能です。しかし,試作してみて気付きました。この方法では一番高いLポールにアイテムをさすことができません。加えて横に置かれたアイテムも得点しようにないのです。彼らは考えました。カゴごと90度回転させればよいはずだと。回転させてみました。アイテムを一番高いLポールにさすことができました。すると自分自身がそこから離れることができなくなってしまったのです。アイテムを入れるカゴの素材が問題でした。最初アルミのアングル材で作られていた部品を,クリアファイルや隙間テープ(両面テープのついたスポンジ)に変更したことで,アイテムを引き抜く方法をあみだし,今まさに操作練習中です。彼らはこのカゴを実現するためにシャーシのサイズも極限まで小さくしました。アイテムを素早く取り込みシュートする機構が完成しました。カゴを動かすために適切な重さのカウンターウェイトを取り付けましたが,その位置も重心に近く動きを妨げません。

動画はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=FOiw96b_gws

 

FAB

FABは,最初からアイテムをつかむことを考えました。しかし,つかむ機構が重たくなってしまうと持ち上げるだけでも大変です。そこで彼らがとった戦略は結束バンドやポリプロピレンやスタイロフォームなどのプラスチック素材を多用して,できるだけ軽く機構を実現することでした。しかし,これを上下機構(ラダー)に取り付けて持ち上げてみて気付きました。高さが足らず一番高いLポールにさすことすらできないのです。試しに一番上に昨年度のチームが使っていた3Dプリンタ製の直径150mmのホイールをつけてみました。アームを上まで持ち上げるとアームが徐々に上を向いてくれるのでアイテムをさすことができるようになりました。ところが,3Dプリンタ製の大きなホイールはあまりに重たく,いかにも動きが悪いのです。結局彼らは3DーCADでホイールを設計し直すことにしました。中身の抜かれたホイールは,元々の部品の1/4ほどの重さになりました。丈夫さも全く問題ありません。他のチームがアイテムをつかみに行く時の位置合わせに神経を使うなか,彼らは柔軟なアームでつかむことができるというアドバンテージを生かして,どんな位置にアイテムがあろうが問題なく得点をすることができるロボットを実現しました。まだ,現時点では操作練習が不十分ですが,おそらくこれから得点は徐々に伸びていくと思います。

動画はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=lHwR6RIKlvU

 

3D筑波工房

3D筑波工房というくらい,彼らのロボットは3Dプリンタやレーザー加工機が多用されています。といっても,ベースとなったのは昨年度2983というチームのロボットです。昨年度のボールを持ち上げるルールでは過剰ですらあった平行クランク機構を,今年も形を変えて実現しました。動画を見ていただければわかりますが,この機構なら415mm以上の高さに一気にアイテムを持ち上げることができます。使われているラダーは,3Dプリンタで作られた摩擦車と組み合わされて,上腕をギヤで動かします。この機構自体は昨年度に彼らが用いていたもので,適度にすべることでギヤボックスのイモネジに負担がかからない優れものです。また,彼らのような機構で無理にアイテムをとりにいくと,金属のアームが曲がり安定してアイテムを保持することができません。金属のアームがひらきすぎて変形してしまうのを防ぐ目的で,レーザー加工機で加工されたMDF板がアームの先端に取り付けられています。これによって最初は不可能にさえ思えたダブルアームが実現してしまいました。そして,特筆すべきことは,彼らは3モーターマシンだという事実です。レギュレーションで4つまでモーターは使えることになっています。彼らはこの性能を3モーターで実現していることになります。4台のロボットの中では,まだ出来たばかりといったところで操作練習がまだまだ足りません。これから劇的に性能を上げるでしょう。

動画はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=Kb1WOdCdBLM

 

勝利至上主義との対決

竹園東中のロボコンは,アイディア勝負です。4台のロボットが同じ機構を採用しているなんてことはありません。勝つために自分たちのこだわりを捨てるようなこともしません。自分たちが追求して実現したロボットの動きを,県大会当日に出来るだけ多くの人に見ていただきたいと考えています。誰もが同じ方法しか開発しなかったとしたら,世の中の技術は決して進化することはありません。それぞれに影響を受け合いながら,互いにヒントを出し合いながら,それぞれの機構のレベルを高めていきます。竹園東中のロボコンは,勝つためのロボコンではありません。それぞれが考え抜いた技術開発の成果で勝負したいと思います。

応援よろしくお願いします。

 

10/28(日)県ロボコンです
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