創明祭クラス企画,生徒達はお化け屋敷をやりたいと話し合っていました。ところが,火災の危険性などの安全面から段ボールなどで壁をつくったり,窓を覆ったりしてはいけないというお達しが出てしまっています。どうしたらいいでしょう。

クラスの生徒達は考えました。
「部屋を暗くしなくてもサングラスをかければいいんじゃん」
「技術でつかったあれがいいんじゃないか・・・」
そうそれは安全メガネ,最安値のものなら5つセットで¥1,100で売られています。100均で買ってきたセロファンをグラスに何枚も重ねて貼り付け,周りを黒のラシャ紙で覆ってみました。ぼんやりと周囲は暗く見えます。さらに彼らは長めのひさしもつけて視野も制限していました。形はまるでVR用のヘッドマウントディスプレイのようです。

この改造安全メガネで視界と視野を制限された状態で,教師用のキャスター付き椅子に載せられ,後ろ向きにスタート,コースに入ったらすぐにその場で回転させられ,急加速,急減速,棺桶の扉が開き,悲鳴が聞こえ,不気味な笑い声が聞こえてきます。次の瞬間,後ろ向きに移動し始め,段差を乗り越える振動が来たと思った瞬間,手につばをかけられたような感覚,段差の振動に気をとられているうちに,最後にうなじに息をふきかけられてしまいます。短いながらも様々な恐怖体験ができる明るいお化け屋敷が実現しました。
創明祭は,安全上の理由で企画の制約条件が厳しく定められています。入り口から見て中の様子がわからない企画は禁止。照明も消してはいけない。照明をセロファンで覆うなどしてもいけない・・・。でも,それを全てクリアする形でお化け屋敷をつくろうとしたら,かなり面白い企画になりました。

制限するのは,目に入る光と視野とその人の動き,このアトラクションに参加された方が想定していない感覚を提供します。
夏休み前に決まっていたのは実はゴーグルと棺桶の扉のみ,担任はフリー音源から怖そうな音を集め,iPadをタッチした瞬間にそれらの音が鳴るようにしておき,彼らに提供してみました。当日はブルートゥース接続のスピーカーから音を遠隔で鳴らします。そしてさらに,クラス企画直前の彼らの試行錯誤は素晴らしいものがありました。何かのつばが吹きかけられたように感じるのは,ただの水を入れた霧吹き,スタート地点からは見えないところに生徒が隠れています。うなじにかけられる息は,100円ショップで売られているボール用の空気入れ。後ろ向きに乗り越える段差は体育で使うロイター板,2枚を向き合うようにおいて,最初と最後の部分に杉材を足して教師用の椅子が段差を乗り越えられるようになっています。

「明るいお化け屋敷」を実現するために,数多くの生徒の,数多くのアイディアが積み重ねられていました。

明るいお化け屋敷