

そこで,花の数を増やさにず,CO2を今まで以上に減らすにはどうしたらよいかを考えた。
数を増やさないのであるから,1株CO2をより多く吸う花を見つけて,その花をたくさん育
てることが必要である。そうすることによってこれまでと同じ花壇の面積であってもCO2を
今まで以上に吸収することが出来る。以上のことからこの研究を始めた。
3研究の目的
学校の花壇の中のCO2吸収量が多い植物を調べ,その植物を増やしCO2をたくさん減
らすことで,地球温暖化を防ぐのに貢献すること。
4研究の方法
(1)学校にある花壇の植物の種類を調べる。
(2)学校の花壇に似合う植物を探す。
(3)それらの植物のCO2吸収量を気体検知管で調べる。
(4)なぜたくさん吸収するのかを考え,調べる。
(5)一番CO2吸収する植物を増やし育てる。
(6)CO2をたくさん吸収する植物でどれだけ貢献できたか考える。
5研究内容
(1)学校にある花壇の植物の種類の調査
まず始めに,学校の花壇には,どんな種類の花があるのかを調べてみた。写真は,
二の宮小学校に咲いている花を撮影した。
①サルビア・・・赤い色の花で,多くの学校で花壇
の花としてあつかわれる。春から
秋まで咲いている人気の花。

②ベコニア・・・シュウカイドウ科で,高さは15~
20cmぐらい。花の色は白,桃,赤
などがある。冬も越す宿根草。

③ペチュニア・・・ナス科の多年草で色は白,桃,
紫,赤,黄色など。大型の花をつ
ける。茎の高さは60㎝くらい。

④コリウス・・・しそ科の一年草,茎が30~50
cm葉色に変化が多く,赤,白,
桃,橙などの変化がある。水が
ないとすぐにしおれる。

⑤マリーゴールド・・・キク科の一年草で高さは
30~50cm。茎は直立
している。枝の先に頭花
をつける。学校の花壇で
は1番の人気。暑さに強
く育てやすい。

⑥インパチェンス・・・白,赤,橙,ピンクなどき
れいな花。暑さに弱く,水が
ないとすぐにしおれる。日陰
に置くなど手間がかかる。

(2)学校の花だんに似合う植物
①学校の花壇に似合う条件について
●学校の花だんの植物の条件として,大切なことは,きれいな事
●育て易い事(暑さに強い,水分が少なくても育つ)
●大きすぎない事(花だんに入りきらない)
以上の条件をみたす植物を探すことにした。
②インターネットを使って上の条件の植物を調べる
上の条件にあてはまる植物を探したところ,インパチェンスの改良型のサンパチェンス
という植物を見つけた。調べたところ,この植物は,これまでつくば市内の学校ではまだ
育てられたことはないようである。この植物は「サカタのタネ」が開発しもので,インパチェ
ンス属の植物で色はピンクやオレンジや白がある。「サカタのたね」のホームページでは,
暑さに強く,高い環境浄化能力があると書かれていた。
③サンパチェンスの特徴
サンパチェンスは,夏の暑さに強くなど生命力が強いということである。一株で約60cm
にもなる。二の宮小学校にあるコリウスという植物は,一度倒れると枯れてしまうが,
サンパチェンスは強い風で倒れてもすぐに回復するなど学校の花だんには,良い植物である
ことが分かった。以上のことからCO2を吸収する新しい花壇の花として研究することにした。

【売っているサンパチェンスの苗】
(3)学校の花壇の植物のCO2吸収量を気体検知管で調べる
理科の授業で「物の燃え方」の実験でCO2を測定するのに気体検知管を使った。
気体検知管を使えば,濃度0.03%~1%まで測定することができる。空気中の
二酸化炭素は,0.04%であることから,この気体検知管を使えば植物の吸収量
を調べることができる。

【気体検知管】
①測定前のCO2の量を決める。
空気中のCO2は,0.04%であるため,そのまま測定に使うと,植物がCO2を吸収
してしまい,下限値の0.03%を下回ってしまうと考えられるので,測定前のCO2濃度
を増やすことにした。人間は呼吸の時にCO2を出すのでそれを利用することを考えた。
吐く息がCO2であることを利用して写真のように息を袋に吹き込んだ。

CO2を測定するのに理科の授業で「物の燃え方」の実験で利用した気体検知管を使
った。気体検知管まずはじめにビニール袋に,息を20日回吹き込んだ。その気体を気
体検知管で測定したところ,CO2の濃度1%以上あった。これでは気体検知管では測定
できないため,息を15回に減らした。すると,CO2の濃度が0.4%になった。これなら
気体検知管を使って測定することができる。写真はビニール袋に息を入れて,気体検知
管で測定している様子である。

②晴天時に植物CO2吸収量を測る
植物が光合成を行うためには日光が必要である。そこで実験を行うために
晴天の日を選んだ。そうすることで,植物が光合成を十分に行うことができる
と考えた。測定した植物は,サンパチェンスの他,どこの学校でも花壇の花に
しているサルビア,ベコニア,ペチュニアを選んで測定した。測定方法は,透明
なビニール袋に15回息を吹き込み,それをなるべく空気が入らないように花に
かぶせる。それから1時間経ってから,袋に1つ穴を開けてそこに気体検知管を
差し込み測定した。写真は測定中のものである。

【袋をかけた植物】 【気体検知管で測定】
こうして測定した結果は次の通りである。

サンパチェンス・・・約0.03%
サルビア ・・・約0.15%
ペチュニア ・・・約0.13%
ベコニア ・・・約0.10%
以上のような結果になった。この結果からサンパチェンスが一番CO2を吸収することが分
かった。サンパチェンスはサルビアの約5倍,ペチュニアの約4倍,ベコニアの約3倍のCO2
の吸収量であった。この結果からサンパチェンスは他の花壇の花よりもCO2を吸収する力が
あることが分かる。インターネットで調べた結果と同じようにサンパチェンスは環境浄化能力
があることが証明された。
(4)なぜCO2をたくさん吸うのかを調べる
なぜサンパチェンスがCO2をたくさん吸収するのかを考え,観察したところ茎の近くから
根が生えているのが見えた。そこで,サンパチェンスの根と他の植物の根を比較してみた。
サルビアの根を水で洗い観察したところ,根は小さく,細かい根が少なかった。しかしサンパ
チェンスの根は大きくよく伸びていて,細かい根も多かった。写真はその様子である。光合成
に必要な水を根から十分に吸うことができるためCO2もたくさん吸えるのではないかと考えた。


【細かい根が見られるサンパチェンス】 【細かい根がないサルビア】
(5)一番CO2を吸収する植物を増やしたり育てたりする
①サンパチェンスを増やすために,種を購入しようとしたが種は販売していなか
った。そこで,苗だけを購入して,そこから大きくなるように育てることを考えた。
まず購入した苗の枝のうち,長い物を選んで,挿し芽をした。一本の苗で,5~6
本の挿し芽が取れた。

②その茎の部分だけ水につけ根が出るまで待った。根は100%出たことで,サ
ンパチェンスの生命力の強さ がよく分かる。


③根が出たものを土に埋めて,育てることにした。水を2日に1回程度あげ,育てた。
一番大きいもので,60cmにも育った。茎が何本もあって花の数も他の花と比べて
かなり多くなった。最終的には,15個の苗から84個の大きなサンパチェンスとし
て育った。たった15個の苗からかなりの数を増やすことが出来た。そのため,学校の
中庭などにきれいな花として飾れるようになった。

(6)CO2をたくさん吸収するサンパチェンスが地球温暖化にどれだけ貢献できたかを考える。
これまでの研究結果から40ℓのポリ袋をサンパチェンス1時間かぶせたところCO2濃度が,
0.4%から0.03%に減った。リットルで換算すると0.16ℓが0.012ℓになり,吸収したCO2
は0.148ℓであった。一日のうち日光があたるのが12時間だとすると 0.148ℓ×12時間で一日
あたりのCO2吸収量は1.776ℓになる。
さらに植物が生長している時期を5月から10月末までの6ヶ月とすると 1.776ℓ×180日
で一年あたりのCO2吸収量が319.68ℓであることが分かった。これは1ℓぺットボトル約320本
分になる。たった1本のサンパチェンスでこれだけ吸収できるのはおどろいた。
これまで84本のサンパチェンスを育ててきたため,84本が年間に吸収する
CO2は319.68ℓ×84本 で26853.12ℓとなる。CO2の体積を重さに換算すると,CO2 22.4ℓが
44gになることから26853.12ℓは52747.2gとなる。これは,杉の木が一年間でCO2を14kg吸収
することから,二の宮小のサンパチェンスのCO2吸収量は52.74kgで,杉の木4本分のCO2
吸収量となった。

7 研究のまとめ
この研究をしてサンパチェンスが他の植物に比べて,3~5倍CO2を吸収することが分かった。
サンパチェンスは挿し芽をすればたくさん増やせるため,二の宮小学校でももっとたくさん育てて
いきたいと思う。また,他の学校でも育てるようにすればもっとCO2削減につながると思った。
そうすることで地球温暖化防止に貢献することができると思う。これからも,地球の環境を守るた
めに研究を続けていきたい。
